会社設立シリーズⅡ ~設立の手続き~

起業する際によく質問を受けるシリーズの第二弾として、今回は会社設立に関する具体的な手続きの流れについて書いてみたいと思います。

法務局での手続き

会社を作る場合、かかすことのできない手続きが登記になります。ここでは登記が完了するまでの流れや大まかなスケジュールを説明していきます。

  1. 登記事項の決定 法人名や住所、実際の事業内容、資本金をいくらにするか、役員の構成をどうするかなど、登記に必要な事項を決定します。
  2. 印鑑の作成 会社実印、銀行員、角印など必要な印鑑を作成します。
  3. 定款の作成と認証 上記1で決定した事項などを記した定款を作成します(作成自体は自分で行っても、外注(司法書士or行政書士)してもOKです)。 定款が完成したら、公証人役場で認証してもらいましょう。なお、現在は電子定款で処理してしまうケースも多く、その場合は、わざわざ公証人役場まで行く必要はありません。
  4. 資本金の払込み 法務局へ提出する書類に、資本金の払込みを証するものが含まれているため、個人口座へ資本金の払込みを行います(法人口座は設立後でないと開設できません)。
  5. 法務局で登記申請 必要書類一式を揃えて、法務局で申請手続きをします。申請から1週間~10日程度で登記は完了します。ただ、郵送で送った場合、書類に不備があると修正・再提出が必要なので、予定よりも時間がかかってしまうケースもあります。
  6. 登記完了 登記が完了したら、登記簿謄本を取得し、最後に印鑑証明の手続きをすれば一通り終了です。

税務署での手続き

登記手続きが完了したら、次は税務署に届出を行います。以下の書類をそれぞれの税務署へ提出することになります。こちらは自身で提出しても構わないですが、すでに顧問税理士が就いているようであれば、提出漏れを防止するためにも、外注してしまった方が良いと思います。

  1. 法人設立届出書 法人設立後2か月以内に最寄りの税務署へ提出します。
  2. 青色申告の承認申請書 法人設立後3か月以内に最寄りの税務署へ提出します。提出自体は任意ですが、提出することにより様々な特典を受けることができるので、余程のことがない限り提出しましょう。
  3. 給与支払事務所等の開設届出書 法人設立後1か月以内に最寄りの税務署へ提出します。
  4. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 可能な限り早く最寄りの税務署へ提出します。こちらも提出は任意ですが、原則毎月納付しなければならない源泉所得税を、半年にまとめて支払うことができるので、事務負担を減らすためにも提出した方が良いでしょう。
  5. 法人設立届出書 都道府県税事務所や市区町村役所にも提出が必要になります。提出期限は各自治体で定められた期間内となります。

社会保険の手続き

社会保険についても簡単に触れます。

まず、健康保険と厚生年金について、基本的に法人の場合は加入義務があるので、所定の書類を年金事務所へ提出します。所定の書類については、日本年金機構のHPにフォーマットがあるので、そちらを使用しましょう。

次に、労災保険ですが、こちらは従業員がいない場合は加入する必要はありません。スタートから従業員を雇用する場合は、労働基準監督署へ所定の書類を提出します。

最後に、雇用保険について、こちらも従業員がいない場合は加入する必要はありません。書類の提出が必要な場合には、公共職業安定所・ハローワークが提出先になります。