私もそうですが、一般的にも個人事業主として独立する方は、サラリーマンを辞めて開業するパターンが多いのではないかと思います。そこで、今回はサラリーマンから個人事業主になるタイミングについて考えてみたいと思います。
サラリーマンと個人事業主の違い
サラリーマンの場合、毎月もらっている給料が給与所得となります。この給与所得には、一定の所得控除はありますが、経費等を控除することはできません。
一方、個人事業主の場合、自分の事業から生じた収入と経費を集計し、それらを合算した金額が事業所得となります。一番大きな違いは、この経費を控除できるか否かということであり、この部分にメリットを感じて独立する方も多いのではないでしょうか。
事業所得を活用した節税
例えば、その年の10月に独立するケースだと、1月~9月までの給与所得と10月~12月までの事業所得を合算した金額が、その年の所得になります。通常、10月以降の事業所得は、創業コストが多くかかるため赤字になることが考えられます。
つまり、所得税は所得が大きければ大きいほど税率が高くなる(いわゆる累進課税)ため、給与水準が高いサラリーマンにとっては、給与所得と創業赤字の損益通算が効果を発揮するケースがあります。
ただし、青色申告をする場合、青色申告特別控除(最大65万円)というものが事業所得から控除することができます。これは、事業所得が赤字の場合には適用できないため、上記の損益通算とどちらの方がより効果的かは慎重に検討すべきでしょう。
まとめ
このように個人事業主として独立するタイミングによっては、年間の所得金額を圧縮できるケースもあります。ただし、この効果を最大化できるよう事前にシミュレーションすることは重要になりますので、まずは税理士に相談することをお勧め致します。